カキ殻肥料の効能
カルシウムが植物の病気を防ぎ、根・茎・葉を強くする
植物の成長に必要な三大要素といえばチッ素、リン酸、カリ。それと同様に大切なのが、これらの栄養素を運ぶ根・茎・葉の細胞膜や細胞壁を強くする「カルシウム化合物」です。
カルシウム不足は、葉や茎の黄変、枯死、尻腐れ、芯腐れ、着果しない、といった障害を招くと言われています。
しかし、農業生産者の皆さんからは、こんな声がよく聞こえてきます。
「すでに植物にカルシウム剤を与えているが、問題が改善されない」 「土壌分析ではカルシウム数値が十分足りているのにカルシウム欠乏症(尻腐病・芯腐れ等)になった」
実は、カルシウム化合物の中にも、根から吸収されやすいものとそうではないものがあります。
カルシウム化合物には、生石灰・消石灰・炭酸カルシウムなどがあります。
その中でもカキ殻肥料は炭酸カルシウムが主成分であり、土壌によってはカルシウムを植物の根から吸収しやすい形にすることもあると考えられます。たとえば、炭酸カルシウムが土壌成分と融合して変化したペクチン酸カルシウムは、植物の細胞膜や細胞壁を強くし、根張り・葉脈・繊毛に良い変化をもたらします。
甘いものはより甘く、赤いものはより赤く・・・植物本来の特徴を引き出します。
豊富な海からのミネラル分により、色つや・糖度・日持ちが向上
カキは1日240Lの海水を吸い込み、海の栄養分を体内に吸収します。そのため「海のミルク」と呼ばれるほど、良質のタンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランス良く含んでいる食品です。
カキ殻にも、中量要素・微量要素と呼ばれるミネラル分が含まれており、その数およそ80種類以上とも言われています。これほど豊富なミネラルを含む資材は稀有といえます。
豊富なミネラルを植物に補給すると、作物の色つや、糖度、日持ちが向上します。
カキ殻肥料の多孔質部分には、作物の成長を促し、旨味を高めるアミノ酸が多く含まれています。
また、多孔質を形成するカキ殻は土中の微生物の住処となり、圃場の団粒化を促進することによって、空気がより多く土中に入り込み根張りの向上につながります。